しいたけの「どんこ」とは?
しいたけは生のものもおいしいですが、乾燥させるとうま味が濃縮され、よいダシになります。台所には乾しいたけを一年中切らさないようにしている、という人も多いのではないでしょうか。
乾しいたけというと、「どんこ」が有名です。
この「どんこ」、しいたけの品種だと思っている人も多いかもしれませんが、実は・・
☆どんこって何?
かさの開き具合がポイントです。
乾しいたけについて、かさが7分開きにならないうちに採取したしいたけを使用したものを「どんこ」と呼び、7分開きになってから採取したしいたけを使用したものを「こうしん」と呼んでいます。この二つの中間のかさの開きのものを「こうこ」と呼びます。
「どんこ」という品種ではないのですね。
かさが開けば開くほど扁平になるので、こうしんに比べてどんこは肉厚で縁が内側に丸まっているのが特徴です。
どんこはしいたけの味をしっかりと楽しみたい料理に、こうしんは他の食材との調和を楽しみたい料理に使うといいようです。
乾しいたけの品質表示基準によると、乾しいたけの「どんこ」と「こうしん」は表示は任意ですが、どんこ以外の乾しいたけの重量が30%以下のものは「乾しいたけ(どんこ)」、こうしん以外の乾しいたけの重量が30%以下のものは「乾しいたけ(こうしん)」と書くことができます。「こうこ」については、食品表示に記載することはできません。
さて、
「うま味」という言葉は普段何気なく使っていますが、実はうま味の成分は日本人が発見しました(1904年に池田菊苗がダシ昆布に含まれるグルタミン酸を発見)。
お湯に味噌を溶き入れて作った味噌汁と、しいたけや昆布などからとったダシを使った味噌汁、この二つを飲み比べてみると「うま味」の存在をはっきりと感じることができることでしょう。
うま味の正体はグルタミン酸やイノシン酸といったアミノ酸や核酸などです。
乾しいたけのうま味の主成分であるグアニル酸は生しいたけにはほとんど含まれていませんが、乾燥させる過程で酵素の働きによって生成され、水で戻すことによってさらに増えるのです。
だから、戻した乾燥しいたけやその戻し汁はおいしいのですね。