新茶前線

いよいよ新茶の時期がやってきます!まだ少し早いのでは?と思う方もいるかもしれませんが、実は沖縄や屋久島、種子島からはすでに新茶が届いています。



写真. 沖縄新茶のさえみどり


新茶とは、その年の一番初めに育った新芽から作ったお茶のことで、その時期だけの風味をもつ「初物」です(一番茶ともいう)。

お茶の木は秋から冬にかけて養分を蓄積し、春に新芽を出します。その新芽を八十八夜(*1)前後の時期に採取し、新鮮なうちに工場でお茶に製造するのです。
*1:八十八夜とは立春から数えて88日目を指します(今年は5月2日)。この日に摘まれた茶葉のお茶を飲むと、無病息災で長生きできるとの言い伝えがあります。

新茶は二番茶や三番茶に比べて、カフェインやカテキンが少なく、苦味や渋味があまりしません。さらに、アミノ酸(テアニン)を多く含んでおり、うま味や甘味が強いのです。

また、新茶の時期に出てくる「みる芽のお茶」は飲んでみたいお茶の一つです!
みる芽とは、柔らかい、若い、幼いを表す「みるい」という静岡の方言から、幼い芽の事をいいます。人間でいうと首が座っていない赤ちゃんのような感じです。

普通の茶葉は機械で摘みますが、みる芽は若い芽だけを選ぶため、手で摘みとります。枝の先に出たばかりの小さい芽と開きつつある若い芽を二枚一緒(*2)に手で摘むのです。
みる芽のお茶は高級品ですが、興味のある方はぜひ試してみてください!
*2:この二枚を合わせて一芯二葉(いっしんによう)といいます。


新茶は、沖縄や鹿児島などの暖かい地域から摘みとりが始まり、桜前線のように北上します。お茶が作られる最北は、新潟県村上市だと言われています。


それでは早速沖縄新茶を淹れてみます。
淹れ方にポイントがあります。
150mlのお湯(75〜80℃)に対して茶葉4〜5g、浸出時間は1.5〜2分。新茶は低めの温度で淹れるのです。



色はやや黄味が強い黄緑色。さっぱりしていますが、新茶の特徴通り、あま〜いです。さわやかな香りがし、少しだけお花のような香りが鼻から抜けていきました。


2煎目は、熱めのお湯で浸出時間は短めで(90℃で30秒くらい)!香りがより強くなり渋味が少しでて、まるで違うお茶のようです。

桜前線ならぬ新茶前線を散り際の桜と共に楽しみたいです♪