本の紹介「こんな『健康食品』はいらない!」

今回は久しぶりに本のご紹介をします。

「こんな『健康食品』はいらない!」です。


こんな「健康食品」はいらない! (だいわ文庫)

こんな「健康食品」はいらない! (だいわ文庫)


消費生活アドバイザーの若村育子さんが書かれました(2010年、大和書房、定価700円+税)。


皆さんは健康食品と聞いてどのようなものを思い浮かべますか?

ビタミンのサプリメントを思い浮かべる方もいれば、栄養をたっぷり含んでいそうなジュースを思い浮かべる方もいるでしょう。

実は、健康食品と言ってもその法律上の定義や規制はなく、薬とは異なり、有効性や安全性などの科学的な審査はされていません(トクホを除く)。


こちらの本では、世間で有名な健康食品やトクホ、健康に良いと言われている食品の数々(約50種類)について、商品名を挙げながら、各4ページで実態を解説しています。


例えば「青汁」。今は色々なメーカーが出しているそうです。
青汁を持っている方はパッケージの原材料表示を一度見てみてください。原材料表示は使われている原料を重量が多い順に記載するというルールがありますので、最初に記載されているもの=原材料のうち一番多く使われているものとなります。
お持ちの青汁の原材料表示は何が最初に記載されていますか?
青汁というとケールや大麦若葉を絞ったもの、というイメージがありますが、製品によってはそうした緑葉野菜よりも甘味料や食物繊維(難消化性デキストリン)の方が先に記載されていることがあるそうです。
青汁を飲んでお通じがよくなったという方がいたら、緑葉野菜よりも食物繊維の効果の方が大きいのかもしれないのです。


本の題名を見るととても強い印象を持ちますが、実際に読んでみると決してそういう部分だけではありません。
合理的な健康食品の選択の仕方の紹介や、健康につながるような食生活の提案が随所でされています。
とにかく内容がぎっしり詰まっていますので、健康食品に手を出しがちな方などは手元に置いておいて損はない一冊だと思います。