シャンパンと炭酸飲料
もうすぐクリスマスですね。
クリスマスの食事はどのようなものにしますか?
普段は和食が定番でも、この日は食後のケーキに合わせて洋風のメニューにするという家が多いかもしれません。
飲み物も特別に、大人にはシャンパン、子供には子供用シャンパンという名の炭酸ぶどうジュースを・・
写真1. これはシャンパン?それともぶどうジュース?
シャンパンと炭酸飲料は、小さな泡がふつふつと立ちのぼり、口に入れた瞬間にシュワッとはじける感覚が似ています。
この泡は一体どのようにしてできたものなのでしょうか。
実は、シャンパンと炭酸飲料の泡はどちらも二酸化炭素ですが、そのでき方は違うのです。
まずは、シャンパンの作り方について・・
シャンパンは、フランスのシャンパーニュ地方において、瓶内二次発酵と呼ばれる方法で作られた発泡ワインのことです。
シャンパンやワインを含め、アルコールは主に酵母によるアルコール発酵で作られます。アルコール発酵は、果物や穀物に含まれるグルコースやフルクトース、ショ糖といった糖が分解され、エタノールと二酸化炭素が生成される反応です。
シャンパンを作る場合は、発酵の途中のワインを糖と酵母とともに瓶詰めをし、瓶の中でさらに発酵を続けさせます。すると、瓶の中で生成した二酸化炭素は外に出ることができなく、ワインに溶け込むのです。瓶内二次発酵という言葉の通りのことが行われているのですね。
(ただし、シャンパン以外の発泡ワインはこれ以外の方法で作られることもあります。)
一方で、炭酸飲料では酵母は使いません。
酵母は二酸化炭素を生成しますが、ジュースとしては必要のないアルコールも同時に生成するからです。
炭酸飲料は主に次のようにして作られます。
まず、基本となる味を決め、水にフレーバーや甘味料、酸味料などを加えた液体を作ります。
そして、この液体を冷却し圧力をかけながら炭酸ガス(二酸化炭素)を溶かしていきます。炭酸ガスが溶ける量は、温度が低く圧力が高いほど多くなるので、製品ごとの適切な条件にします。
最後に瓶や缶に密閉して、炭酸飲料の出来上がりです。
なお、炭酸飲料で使われる炭酸ガスは、以前はビールの発酵で生成したガスや天然のガスなどが用いられていましたが、消費量の増大にともない、現在は工業分野で副生したガスを精製したものを用いることが多いようです。
アルコールが飲める人も飲めない人も、クリスマスはそれぞれ楽しい気分になれるような飲み物を用意してみてはいかがでしょうか!