ハチミツとイチゴの共通点

ハチミツとイチゴの共通点ってなんでしょうか?



写真. 甘くておいしいというのも共通点のひとつ


正解は・・
どちらも、ミツバチのおかげで私たちが食べられるということです。


スズメバチなどのように、刺されたら死に至るといった怖いイメージを持つハチもありますが、ミツバチは人間にとっては食べ物や資源を供給する益虫であるといわれます。(ミツバチも刺すことはありますが、概して温厚です。スズメバチはミツバチにとっても天敵だそうです。)


暖かくなり、色とりどりの野の花が咲き始めるこの季節、ミツバチは花を訪れて蜜を集める「仕事」を始めます。
ミツバチは花の蜜を吸いとって、巣に戻ります。その後、多糖類である花の蜜を単糖類に分解し、はき出して巣に蓄えます。さらに時間をかけて分解や脱水が繰り返され、保存性の高いハチミツとなります。
私たちにとって甘くておいしいハチミツですが、本来は働きバチの主食なのです。


このように、ミツバチが人間に利用されている場面として、ハチミツの生産が一番に思い浮かぶと思いますが、それだけではありません。
イチゴやメロン、スイカなどの多くはミツバチが花粉を媒介することで作られているのです。これらの果物が実るためには、雄しべの花粉が雌しべにつくことが必要ですが、ミツバチが蜜を求めて花に訪れることで、花粉交配が同時に行われるのです。

日本に野生で存在するニホンミツバチやチョウやアリなどもこうした役割を担いますが、これらだけでは果物が実るための花粉交配が十分に行われません。また、人の手で行うこともできますが、時間がかかる上、人件費がかさみます。そのため、多くの農家はセイヨウミツバチの巣を農園やビニールハウスの片すみに置き、花粉を媒介させています。


人間によるミツバチの利用は、野生のミツバチの巣からハチミツを採取するという形で古くから行われてきました。
しかし、実質的に日本で養蜂の地位が確立したのは、農林水産省による養蜂振興法が成立した昭和30年からといわれ、養蜂業者はハチミツを採取するためにミツバチを飼育するようになりました。
また、当時の状況として、野生の昆虫が減少してしまい、農家はそれらだけでは十分な花粉交配ができないということがあったため、養蜂業者は花粉交配用としてミツバチを農家に売る(あるいは貸す)ようになりました。

現在、多くの養蜂業者は、自分たちのハチミツの採取をメインとして、余った分のミツバチを契約した農家に提供しているそうです。農水省データによると、平成20年度に飼育されたミツバチの群数はおよそ17万2千群で、そのうちの19%程度が花粉交配に用いられました(1群は数万匹)。


ひとつの食べ物にも、想像以上に多くの人や生き物が関わっているのですね・・。同じようなことが、他の食べ物にもきっとあるのだと思います。みなさんは何か思い浮かびますか?