お米の品種

お米の話、第二弾です!(前回はこちら


天使の詩、おぼろづき、まっしぐら、森のくまさん・・


これらは全てお米の品種の名前です。みなさんは普段、どんなお米を食べていますか?

農林水産省の統計によると、平成21年産のお米の作付面積のトップはコシヒカリ(37.3%)でした。コシヒカリは、北は新潟、南は四国と、全国的に栽培されている品種です。
次いで、ひとめぼれ(10.6%)、ヒノヒカリ(10.3%)、あきたこまち(7.8%)と続きます。ひとめぼれは岩手と宮城、ヒノヒカリは九州、あきたこまちは秋田を中心に栽培されています。これら三種は、コシヒカリを品種改良して作られたものです。


日本人となじみの深いお米ですが、お米を食べる国は日本だけではありません。
意外に思うかもしれませんが、世界の人口の半分はお米を主食としています。例えば、バングラディッシュカンボジアでは、一日の摂取カロリーのおよそ3/4がお米だとのことで、日本よりもお米と繋がりの深い国かもしれません。


世界中には、お米の品種が10万以上もあると考えられています。
日本で食べられるお米はジャポニカ種と呼ばれるもので、その見た目から短粒米に分類されています。そのほかに、長粒米(中国米やインド米など)と中粒米(イタリアのリゾット用の米など)があります。

この分類は読んで字のごとく、米粒の長さの違いによるものですが、アミロースという糖分の含有量の違いも反映しています。
アミロースが少ないほど粘り気のある食感になります(*)。短粒米や中粒米はアミロース含有量が少ないため、粘り気があり粒どうしがくっつき合います。
一方で、長粒米アミロース含有量が比較的多く、パラパラとした食感になっています。
アミロースを含まないお米はもち米です。


長粒米は日本ではあまり見かけませんが、ある時期、たくさん流通しよく食べられていました。
それが1993年に起こった米不足騒動です。この年は冷夏が原因となり、お米が記録的な生育不良に陥り、大量のタイ米が輸入されました。
タイ米は日本人が慣れ親しんだお米とは食感が異なったせいか、うまく炊飯できなかったためか、評判はあまりよくなかったことを覚えています(チャーハンやピラフにして食べるとおいしいと言われていました)。


日本で生産されるお米のほぼ100%が短粒米ですが、世界では長粒米の生産量の方が圧倒的に多いのです。
お米の生産量がもっとも多いのは中国で約2億トン、次にインドで約1億1千トン。この二国で、世界の約半分のお米を生産しており、また、そのほとんどが長粒米です。


日本では、お米の品種を食べ比べ、味の違いを楽しむ人がいると思います。
長粒米の品種の間にも味の違いはあるのでしょうか?いつか食べ比べてみたいです。