大みそか&お正月料理のいわれ

クリスマスの話題をしたばかりですが・・今年も残すところ一週間です!

みそかからお正月にかけて、伝統的な日本文化の慣習が多くあり、現代に生きる私たちにとっては、日本人だということを一番感じられる時なのではないでしょうか。

食もそうした慣習の一部です。

今回はこの時期に登場する食べ物について、そのいわれ(それぞれ代表的なものをいくつか)をご紹介したいと思います。


☆年越し蕎麦
12月31日、紅白歌合戦(最近だと格闘技も多数派?)とセットで思い浮かぶ年越し蕎麦。
年越し蕎麦のならわしが始まったのは、江戸時代だと言われています。金細工師が飛び散った金や銀の欠けらを集めるのにそば生地を丸めたものを用いていたことから、「そばは金を集める」とされるようになりました。
また、蕎麦の細く長い形に「家運を伸ばしたい、長生きしたい」という願いを、切れやすいところに「一年の苦労や厄を断ち切る」という思いをかけたそうです。


☆おせち
おせち料理は年神様へのお供えものとして用意するものです。重箱には、「良いことが重なる」という願いをこめています。
また、おせち料理には保存ができるものが多いと思いますが、それには正月は主婦が家事から解放されるようにという理由があるようです。
最近はフレンチや中華など様々なおせち料理がありますね。ここでは多くの人が知っている定番のおせち料理を挙げていきます。

まず、「最低この三つがあればおせちとして成立する」と言われるものがあることをご存じですか?祝い肴三種と呼ばれる次の三つです。


・黒豆:一年まめ(健康、元気)に働けますように
数の子:ニシンがたくさんの子を産むように、子孫繁栄の願いをこめて
・田作り:昔はイワシを田畑の肥料に用いていたことから豊作の願いをこめて。「田作り」という名前もここからきているのですね。


その他、定番のおせちのいわれは・・

・栗きんとん:つやつやとした黄金色を財宝に見立てて、財産がたまるようにという願いをこめて。漢字では栗金団と書きます。
紅白なます:紅白はめでたい色の組み合わせとして定番です。赤は喜びと魔除け、白は神聖をあらわしているそうです。同じように紅白かまぼこも定番ですね。なますは、以前生の魚介類と大根やにんじんで作られていたのでこの名前がついていますが、現在では魚介は入れないことも多いようです。
・海老:長いひげと曲がった姿から、長寿の願いをこめて。普段エビフライを作るときは曲がらないように切れ目を入れるなど工夫をする人もいると思いますが、お正月は曲がってこその海老なんです!
・昆布巻き:喜ぶという言葉にかけて。昆布の中には何を巻き込みますか?ニシンやサケの身、タラコなどなど・・
・伊達巻き:「伊達」には華やかという意味があります。また、昔は掛け軸や文書を巻物にして保存していたことから、文化や教養の発展を願う気持ちを込めているそうです。


☆お雑煮
おせちと同じようにお餅も年神様へのお供えものとして用意します。そのお餅を下げて、いただくための料理がお雑煮なのです。
お雑煮はもともと室町時代に武士が宴の最初に食べていたことから、新年に食べるならわしが始まったそうです。

お雑煮は地方や家庭によって味付けやお餅の形、具材などが様々ですね。
私の家では静岡のお雑煮を食べますが、濃い目の醤油味で、お餅と蒲鉾や鶏肉、里芋、水菜などを煮込み、最後に鰹節をたっぷりかけます。


一年の切りかえの時期に食べる料理には、過ぎ去る一年とやって来る一年へのたくさんの思いがかけられているのですね。
おせち料理は子供があまり好きじゃないから作らない・・という家庭が増えているようですが、こうした思いを知っていると興味を持って食べられるのではないでしょうか。