コンビニ弁当のコロッケはどのように表示する?

お弁当の原材料表示を見たことがありますか。

細かくびっしりと書いてあるものもあれば、簡潔にまとめて書いてあるものもあり、不思議に思う人もいるかもしれません。


お弁当は複数のおかずが詰められている場合、原材料の種類も多くなります。これらすべてを小さな表示シールの中に記載しようとするとどうしても読みにくくなり、食品衛生上必要な食品添加物やアレルギーの記載が分かりにくくなってしまうことがあります。
これを解決するために、お弁当の表示を簡略して書いてもよいことになっているのです(平成18年度の加工食品品質表示基準改正)。


ただし、簡略して書いていいかどうかは場合によります。

コンビニのお弁当を思い浮かべてみてください。ぱっと見て、中にどんなものが入っているか分かると思います。一方で、駅弁の多くは透明ではない容器に詰められており、どれを買うかは見本や写真を見て決めていると思います。
このような「外から見て中身(原材料)が分かるかどうか」ということが、お弁当の表示ではポイントになるのです。それでは、コンビニ弁当のコロッケを例に考えてみましょう。


☆コンビニ弁当のコロッケの表示は次のうちどれでしょう?
・コロッケ
・コロッケ(じゃがいも、小麦粉、卵、その他)
・おかず


答えは、コロッケが切ってあるか切っていないかで変わります。

切っていない場合、コロッケかどうかは衣の上からでは判断できません。メンチカツやクリームコロッケにも見えそうです。
このときは表示に「コロッケ」と書きます。
じゃがいもや小麦粉といった原材料については、コロッケという名前から想像できるので、書かなくてもよいのです。

では、半分に切り、その切り口が見えるように詰めてある場合はどうでしょうか。一見してコロッケが入っていることが分かると思います。他にもお弁当自体に「コロッケ弁当」といった名称がついている場合も、中身がコロッケであることを示唆しています。
こういったときは、その他のおかず(外見で原材料が分かるもの、焼鮭や目玉焼きなど)とまとめて「おかず」と書いてもよいのです(下図参照)。



では、外見で原材料が分かるものと分からないものが混ざっている場合はどうなるのでしょうか。
もし外見で分からないものだけを抜き出して書くと、それがメインのおかずだと誤解をされてしまうかもしれません。なのでこの場合は、メインとなる(重量の大きい)おかずを記載した上で、省略できないおかずを記載し、その他を「その他おかず」や「その他付け合わせ」と書きます。
例えば、クリームコロッケが省略できないおかずである場合、クリームコロッケまでを重量の順に品名を記載し、それ以下をまとめて表記します(「ご飯、焼鮭、クリームコロッケ、その他おかず」)。


以上はコンビニ弁当の場合についてですが、駅弁など容器の外からでは原材料が分からないようなお弁当では、全てのおかずの名称を記載しなくてはなりません。


繰り返しになりますが、このような表示の決まりは食品衛生上必要な表示を見やすくするために作られました。言い換えると、あらゆる場合において、アレルギー物質や食品添加物は抜き出して表示する必要があります。

ただし、客の注文をとってからおかずを詰める対面販売のお弁当については、販売者は原材料や食品添加物などの質問に答えられる立場にあるため、上のような加工食品品質表示基準や食品衛生法に基づいた表示は必要ありません。


それにしても、外見で原材料が分かるかどうかは人によっても差がありそうですよね・・。東京都福祉保健局のパンフレットに具体例がいくつか掲載されているので、見てみてください。