様々なお茶の香り

桜の香りがする緑茶を見つけました。



購入したお店の方によると、この緑茶は香料などを使って香りをつけているのではなく、茶葉自体に桜の香りがするというもので、やぶきた茶の一種だそうです。

お茶には様々な成分が含まれています。アルコール、フェノール、アルデヒドエステル、酸、ケトン、全硫黄化合物、全窒素化合物など・・

これらの成分の中には、香気関連物質というものが存在し、様々に組み合わさって香りが生まれます。緑茶には、この物質が200種類以上あるそうです!


では、お茶の香りはいつ・どのように付くのでしょうか。

元々、生の茶葉には香りが少ないのですが、摘まれると同時に酵素が働き発酵することで香り成分が生成されます。
しかし、緑茶の場合は摘んだ後に蒸すので、酵素の働きが止まり、香り成分が生成されません。さらに、製造をしていく工程で元々ある香り成分の多くが揮散するため、ほとんど香りはしなくなります。

だけど、緑茶には独特のよい香りがしっかりしますよね?
こうした香りが付くのは、製造工程の最後の作業である「火入れ」の時で、茶葉に含まれるアミノ酸と糖類が反応して香りが生成されます。
この香りを火香(ひか)と呼びます。玉露やかぶせ茶などの高級煎茶は、青海苔のような火香がすると言われています。


また、お茶の中には(ウーロン茶や紅茶など)、摘んだ後に蒸すという作業をせず、お茶の酵素を働かせたままにして作るものもあります。
この場合、摘んだ茶葉を風通しの良い暗所で放置し、しおれさせることで酵素による微発酵を促します。このことを萎凋(いちょう)といいます。
萎凋をすることでできる香りを萎凋香といい、発酵の度合いによって香りの強さが違います。
ウーロン茶や紅茶は香りを高めるために萎凋が大切ですが、緑茶では通常萎凋香がするものは、蒸し不足が原因の欠点茶とされています。


しかし、お茶屋さんの中には萎凋香をむしろ「売り」にして緑茶を販売しているところもあります!
以前、萎凋香のする緑茶を飲みました。お花のような香りがし、緑茶なのになんだかジャスミン茶のような感じでした。


お茶に生まれる自然のフレーバー♪茶葉の産地や種類、火入れの時間の長短によっても様々な香りのお茶を楽しむ事ができそうです。
自分の好みのひとつを発見するのも楽しいかもしれませんね。

お茶の香りには心をリフレッシュする作用があります。午後の一息にいかがですか?



新茶の季節が待ち遠しいです。