天然水の「天然」って何?

梅雨入りしたというのに、今日は30℃まで上がる晴天の東京です。こんな暑い日はコップ一杯の冷たい水がとてもおいしく感じますね。

ということで、少しでも涼しい気持ちになるように水について書きたいと思います。
水といっても、水道水を飲む人もいればペットボトルのミネラルウォーターを買って飲む人もいます。今回はミネラルウォーターによく付いているネーミング「○○の天然水」に注目してみます。

以前、塩の表示の話で、業界団体の自主ルールでは、「天然塩」や「自然塩」と表示してはいけないと書きました。なぜなら、そうした表示は優良誤認になるからです。

では、ミネラルウォーターではどうでしょうか?


そもそも、ミネラルウォーターの定義とは・・
農林水産省「ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン」によると、ミネラルウォーター類の品名は次の四種類に分かれています。

ナチュラルウォーター:特定の水源から採水した地下水を原水とし、沈殿、ろ過、加熱殺菌以外の処理を行わないもの。
ナチュラルミネラルウォーター:特定の水源から採水した地下水(ミネラルが溶け込んでいるものや二酸化炭素が溶け込んで発泡性を持つもの)を原水とし、沈殿、ろ過、加熱殺菌以外の処理を行わないもの。
●ミネラルウォーターナチュラルミネラルウォーターを原水とし、品質を安定させる目的でミネラルの調整やばっ気(水に空気を供給すること)、複数の種類のナチュラルミネラルウォーターを混合しているもの。いずれも「ミネラル調整」や「ばっ気処理」などと処理方法を記載する必要がある。
●飲用水、ボトルドウォーター:それ以外のもの。

ちなみに東京都では、その水道水の安全性とおいしさを広めるために、水道水をペットボトルに詰めた「東京水」を販売しています。これは、上記の四種類のうち、最後の「飲用水、ボトルドウォーター」に当たります。


さて、「○○の天然水」の「天然」とは何かということですが・・
このガイドラインによると、ナチュラルウォーターナチュラルミネラルウォーター以外のものについて「天然」や「自然」と表記することは禁止する、となっています。


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上で書いたように、天然水と言っても、日本の場合は自然にわき出たままの水ではなく、沈殿、ろ過、加熱殺菌がしてあります(*)。
アメリカも同じ。ヨーロッパでは殺菌や除菌をしない代わりに、水源地や採水について厳しいルールが設けられています。

「本当の」天然の水には微生物や細菌などが含まれており、そのまま飲むと健康に悪い影響がでる場合もあるのです。

天然や自然という言葉には良いイメージがあるけれど、管理をしなければリスクの高いもの・・このことについては以前の記事でも書いていますので、見てみてください。