○○風焼きそば?

先日、定番の中華料理の名前の由来をご紹介しましたが、今回は中華料理の分類についてまとめたいと思います!

お店によっては、焼きそばひとつとっても「広東風」や「上海風」などと分かれていることがあります。写真が付いていればいいのですが、名前だけではどの焼きそばがどのようなものか分かりづらいですよね。

日本では(*)、中華料理は大きく次の四つに分かれています。
*中国ではこれとは別の分類がされることが多いようですが、今回は「日本では」のお話です。


広東料理
広東省は農業や畜産業が盛んな地域です。新鮮な野菜や肉などが手に入るので、素材の味を活かしたあっさりとした味付けになっています。使う油や香辛料の量は少なく、塩味が基本です。「八宝菜」は広東料理の有名なメニューです。


四川料理
唐辛子と山椒をたっぷりと使った辛い味付けが特徴です。四川省は海が遠いため、魚介類は淡水魚か乾燥させたものを使うことが多いようです。「麻婆豆腐」や「乾焼蝦仁」などが有名です。乾焼蝦仁とは、日本でいうエビのチリソースのことです。

ところで、唐辛子は四川料理に限らず中華料理でよく使われますが、原産地はメキシコです。
15世紀の終わり頃、コロンブスがヨーロッパに持ち込んで以降、インドやアジアなどに広まっていきました。中国に入ったのは17世紀頃と言われています。
中国において唐辛子が料理によく使われ始めたのは意外と最近で、麻婆豆腐は100年ほど前に発明されたと言われています。

なぜ四川省でこんなに唐辛子が浸透したのでしょうか?
唐辛子を食べると体温が上昇して、汗をかきます。四川省は湿度が高く、四季の寒暖の差が激しいので、体調を整える目的で唐辛子を好んでいるのかもしれません。


上海料理
上海は海に面しているので、海産物が豊富にあります。そのため、海産物をふんだんに使っていることが特徴です。砂糖や醤油を使った甘辛い味付けで、日本人にも親しみやすい味かもしれません。「フカヒレの姿煮」や「上海蟹」が有名です。(どっちも高級料理ですね・・)


北京料理
北京料理は油をたくさん使った濃厚な味付けが特徴です。
北京ダックが有名です。北京ダックは、味をしみ込ませたあひるの肉をあぶり焼き、パリッと焼きあがった皮を肉とともにそぎ切りし、甘味噌などとともに鴨餅で包んで食べる料理です。
鴨餅はヤーピンと呼びますが、この餅というものは日本の餅とは違うものを指し、粉を水で練って焼いたものという意味があります。春巻の皮は春餅(チュンピン)といいます。


さて、冒頭で書いた焼きそばについてですが、これらの味付けの特徴から推測すると、広東風焼きそばは塩味で上海風焼きそばは醤油味ということでしょうか?

調べてみたところ、確かな情報は得られませんでした。ただ、言えそうなことは、日本における「○○風」には共通の認識があるというわけではなさそうだということです。
例えば、「広東風しょうゆ焼きそば」というのもあります。
また、「広東麺」のイメージから、広東風はとろみのあるあんかけを想像するかもしれませんが、あんかけではない広東風焼きそばもあります。(ちなみに、広東麺は実際には広東省で食べられない日本で作られた中華料理のようです。ナポリナポリタンスパゲッティを食べられないように・・)


ということで、メニューを見てどんなものか分からなかったら、お店の人に聞くのが一番だということが分かりました!詳しい方いましたら、教えてください・・。