うなぎのあれこれ

先日土用の丑の日に食べる食べ物として、土用餅について書きましたが、今回は王道のうなぎを主役にしたいと思います!


うなぎは川の魚だと思われているかもしれませんが、生まれる場所は海です。
海でふ化し、変態を繰り返しながら稚魚になり、川に入ります。このときのうなぎはシラスウナギと呼ばれ、体は5〜6cm程度で透き通っています。その後、川でプランクトンを食べて成長していくにつれ、体色は黒っぽくなっていきます。


☆うなぎの養殖
うなぎはその他の多くの魚と同じように、天然のものと養殖のものがあります。

現在は天然のうなぎは漁獲量がごくわずかです。日本養鰻漁業協同組合によると、2009年は天然のうなぎは国内のうなぎの生産量の約1.2%でした。
輸入のものが多く、2009年は総流通量の約58%が中国産、約9.4%が台湾産でした。また、輸入のものは全て養殖のものです。

うなぎの養殖は1879年に東京の深川で始められました。
養殖といっても、卵のふ化から人工で行うわけではありません。シラスウナギのときに河口で採取し、養殖するのです。シラスウナギは養殖用の池で育てられ、半年から二年で出荷できるようになります。
うなぎの一生は極めて特殊であるため、現在の養殖技術をもってしても、卵からうなぎを育てることは難しいそうです。


土用の丑の日にうなぎを食べる理由
養殖のうなぎは餌を十分に与えられているので、一年中よくあぶらがのっていて、実質的には旬がないとも言えます。
それでも、「うなぎ=夏」というイメージがあるのは、土用の丑の日の宣伝効果が強いからかもしれません。

土用の丑の日にうなぎを食べる習慣は、江戸時代からあると言われています。
江戸時代の有名な学者である平賀源内が、あるうなぎ屋に頼まれ、「本日土用丑の日、うなぎを食べましょう」などという看板を書いたことから始まったとか・・。うなぎは脂質が多いので、江戸時代の栄養事情においてはありがたい存在だったのかもしれません。


☆うなぎのお刺身?
うなぎといえば、甘辛い蒲焼かワサビ醤油で食べるとおいしい白焼きが定番ですが、お刺身で食べることはほとんどありません。
うなぎをお刺身で食べない理由はあまりおいしくないから・・ではなく、うなぎの血液にイクシオトキシンという毒性物質が含まれているからなのだそうです。イクシオトキシンをある量以上摂取すると、おう吐や呼吸困難といった症状が起こります。
ですが、この毒性物質はたんぱく質であり、加熱で無毒化するため、蒲焼や白焼きにした場合は問題がないのです。

ただし、しっかりと血を抜いてお刺身で食べさせる・・というお店もあるようです。うなぎのお刺身はどんな味がするのでしょうか?