森のバター、アボカド

今回は独特の存在感で人気のあるアボカドについてご紹介します!


先日、果物として食べるけど実は野菜に分類されるものとしてスイカをご紹介しましたが、アボカドはその逆で、野菜として食べるけど果物に分類されています。
農林水産省の分類で果物とは、木になる実のように永年的に生産されるものとされています。アボカドの木はあまり見たことがないかもしれませんが、クスノキ科の常緑樹です。


アボカドの原産地は熱帯アメリカで、5000年以上も前から栽培されていたそうです。
日本で栽培され始めたのは昭和12、3年頃です。現在は、昭和初期に導入された和歌山県において一部栽培が続けられているほかは、静岡県沼津市の農園がひとつあるのみです(数本単位では四国や九州にもあり)。
ほとんどはメキシコやチリなどからの輸入品です。


アボカドは、香りづけによく使われる月桂樹と類縁の植物です。メキシコ品種のアボカドの葉にはタラゴンやアニスの香り成分が含まれており、現地では料理の風味づけに使われるそうです。


さて・・おいしいアボカドの見分け方をご存じですか?
アボカドはバナナやミカンと同じように追熟します。(追熟についてはこちらを見てください。)

まだ熟していないアボカドは果皮が緑色で、熟するにつれて段々と黒っぽい色になります。購入後すぐに食べたいときは黒っぽくなっているものを選びましょう!



写真1. 左の方がまだ少し緑色(分かりづらいかも・・)


熟していないアボカドはバナナやリンゴと一緒に袋などに入れておくと早く熟します。バナナなどから発せられる植物ホルモン(エチレン)のガスは追熟を促進するのです。
また、アボカドは切ってから時間がたつと色が悪くなってしまいますが、レモン汁など酸性のものをかけるとそれを防ぐことができます。



写真2. 切りたてのアボカド


濃厚な味のするアボカド・・その30%近くが脂肪です。「森のバター」と呼ばれる所以ですね。
脂肪と聞くと、避けたいものだと思う方がいるかもしれませんが、アボカドの脂肪には必須脂肪酸であるリノール酸リノレン酸が含まれています。
このほかにもアボカドには様々な栄養素が豊富に含まれています。カリウム葉酸ビタミンB1、B2、E、ミネラル、食物繊維など・・。もっとも栄養価の高い果物として、ギネスブックに掲載されているそうです。


アボカドはお寿司やサラダなど、生で食べることが多いと思います。
加熱すると苦味成分がでて卵くさくなってしまうそうなのです。ご家庭でもぜひ生で食べてください!