黒コショウと白コショウ、黒ゴマと白ゴマ

何度か書いている色の違いはなぜ?についてですが、今回はコショウとゴマについてご紹介しようと思います。(今のところ色の違いネタはこれで終わり。砂糖、ワイン、味噌・・ほかに何かありますか?)


☆クイズ:色の違いはなぜ?黒コショウ&白コショウ、黒ゴマ&白ゴマについて答えてください。
(1)品種が違う
(2)製法が違う
(3)着色料が違う


【コショウ】
ラーメンにかけたり炒め物の味付けに使ったりとスパイシーな風味が魅力の黒コショウ。そして、白コショウは、ホワイトシチューなどの淡い色を保ちたい料理や、そのほか様々な料理に使われます。

コショウは塩と並んで、世界中でもっともよく使われる調味料です。
原産地は西南インドで3500年前には既に貿易物資として用いられていました。現在は主に、インド、インドネシア、ブラジルで栽培されています。

コショウはコショウ属のツル植物の実を乾燥させたものです。種子だと思っていた人がいるかもしれませんが、「実」というところがポイントです。
黒コショウも白コショウも同じ品種から作られます。成熟する前のコショウの実は緑色をしていますが、収穫後は褐変酵素の働きで黒っぽい色に変化していきます。
コショウを挽くペッパーミルに入っている実を見たことのある人なら分かると思いますが、コショウの実は5mm程度で黒っぽくシワが寄っています。シワがあるのは乾燥させてあるからです。



写真. これは白コショウと黒コショウが混ざっている


コショウの色の違いは製法の違いからくるものです。
黒コショウは乾燥させたコショウの実を丸ごと挽いて作ります。
一方で白コショウは、黒い外皮(果肉層)を取り除いて中の種子だけを使っています。外皮の取り除き方は、実を水に漬け、果肉層を細菌で分解されるまで数週間置き、最後に果肉層をこすり落とすというものです。
最初は実を丸ごと使う黒コショウしか存在していませんでしたが、インドネシアで商品化されて白コショウが誕生したそうです。

味の違いとしては、コショウの香り成分が含まれる外皮を除去してあるため、白コショウはコショウ独特の香りはあまりしません。ただし、辛味成分は種子表面にも含まれており、辛味の強さは両者の間で大きな差はありません。


【ゴマ】
ゴマは、すって野菜に和えたり、ご飯にふりかけとしてかけたり、豆腐に加工したりと、様々な料理に用いられています。海外ではお菓子の材料としてもよく使われます。

ゴマは、コショウとは異なり、実ではなく種子にあたります。ゴマ属の一年生植物の種子で、それを乾燥させたものです。乾燥させた後はさらに香りを引き出すために、多くの場合、軽く焙煎させています。

こうした製法は黒ゴマも白ゴマも同じです。つまり、ゴマの色の違いは製法の違いにあるというわけではありません。
ゴマの原産地は中央アフリカですが、現在は主にインド、中国、メキシコ、スーダンで栽培されており、様々な品種があります。そして、品種の違いにより、金色や黒色、紫色など色が異なるのです。(紫色のゴマはまだ見たことがありません・・)

色の違いによる味の違いは・・そういえばそんなに意識したことがありませんでした。白ゴマの方が風味が強い気がしますがいかがでしょうか。