妊婦さん向け情報のまとめ

妊婦さんは食生活に気を使った方がいいと言われています。妊娠中はお酒やタバコを避けるほか、コーヒーやお茶の代わりにカフェインレスの飲み物にするという人もいるようです。

胎児は、胎盤を通してお母さんの摂った栄養を受け取り発育します。また、胎児は代謝や排せつをうまく行うことができなく、毒性物質の影響を受けやすくなっています。
そのため、普通の人が食べても問題がない食品であっても、胎児の発育という点から妊婦さんにとってリスクの高いものになることがあるのです。


ということで、今回は妊婦さんに知ってもらいたい情報をまとめてみます。
まずは当ブログの関連記事からご紹介します。


妊婦さんはリステリア菌による食中毒に注意
リステリア菌食中毒は流産の原因となる場合があります。この食中毒の原因食品としては、冷蔵庫で長期保存しがちで食べる前に加熱調理をしないことが多い生ハムやスモークサーモン、ナチュラルチーズなどが報告されています。
妊婦さんはこうした食品は避けた方がいいでしょう。抵抗力の弱い高齢者や乳幼児も注意してください。


妊婦さんは大きな魚の食べ過ぎに「少しだけ」注意
大きな海の生き物(クジラ、イルカ、マグロ、カジキ・・)には、食物連鎖の結果、海にもともと含まれる元素であるメチル水銀が蓄積しています。
妊婦さんがメチル水銀をある量以上摂取すると、発育中の胎児の神経系に影響を及ぼすことがあるとされています。ただし、生まれてくる子どもの音への反応が1/1000秒以下のレベルで遅れる可能性がある、ということで重い神経疾患につながるというわけではありません。
また、魚はカルシウムやDHAEPAなどの栄養成分を含んでおり、妊婦さんにとっても大切な栄養源であることに変わりありません。魚の種類と量にさえ注意すれば大丈夫です。


葉酸を食品から、妊婦さんはサプリメントからも
葉酸は枝豆やブロッコリーなどの野菜に多く含まれている栄養成分ですが、妊婦さんや妊娠を計画している方はサプリメントからも葉酸を摂取することが勧められています。
葉酸を摂取すると、妊娠初期に起こる先天性の神経管閉鎖障害のリスクが低下することが明らかになっています。ただし、そうしたことを示唆する研究はすべてサプリメントなどの栄養補助食品を用いており、普通の食品中の葉酸についてはその効果の証拠がまだ得られていません。
そのため、葉酸は、厚生労働省によりサプリメントからの摂取が勧められているおそらく唯一の栄養成分です。


ハチミツは1歳以上から
ハチミツは自然なものというイメージがありますが、衛生面からは赤ちゃんに与えるのは避けた方がいいでしょう。
ハチミツにはボツリヌス菌という細菌が混入している場合があり、これを摂取した赤ちゃんは乳児ボツリヌス症にかかってしまうおそれがあるのです。
乳児ボツリヌス症は、まだ腸内細菌が整っていない赤ちゃんがボツリヌス菌の混入する食品を食べ、大腸の中で菌が増殖しボツリヌス毒素が生産されることで引き起こされます。乳児ボツリヌス症にかかると、便秘や体の筋力が落ちるなどの症状が見られます。
1歳をこえると正常な腸内細菌の状態になるため、乳児ボツリヌス症を起こすことはありません。


行政機関からは、妊婦さん向けの情報をまとめたパンフレットなどが提供されています。

厚生労働省「これからママになるあなたへ」
次の四つのパンフレットが紹介されています。全て閲覧および印刷が可能です。
・「食べ物について知っておいてほしいこと」(表面PDF裏面PDF
「お魚について知っておいてほしいこと」
・「妊産婦のための食生活指針」(表面PDF裏面PDF
・「粉ミルクの作り方の注意点」(PDF)


食品安全委員会「お母さんになるあなたへ」(PDF)
ビタミンAの過剰摂取、アルコール飲料の摂取、イソフラボンの摂取などについての簡単な説明と各種情報源のURLの紹介がされています。


イメージだけにとらわれない正しい情報を参考に、ぜひ健康で楽しい妊婦生活を送ってください!