ふじのくに山のお茶100選

先日、「ふじのくに山のお茶100選」の展示会に行ってきました。
私たちが展示会に行った3月11日は東北地方太平洋沖地震が起こった日でした。被災地の一日も早い復興を願い、この場をおかりして心よりお見舞い申し上げます。


「ふじのくに山のお茶100選」とは、静岡の山で育つ良質な茶葉を活かし、伝統的な製造技術によって生産されるお茶の中で、さらに、味や香り、色などに特徴のある個性豊かなもののことをいいます。

静岡はお茶愛好家の徳川家康に愛された歴史あるお茶の産地として有名ですね。さらに静岡の山間部は、寒暖の差が大きくて霧が発生しやすいため、豊かな香りと味のあるお茶が作りやすいのです。
そのため、お茶の製造にかかわる技術も発達し、日本一のお茶の生産量をほこっています。


それでは、展示会で見つけた「ふじのくに山のお茶100選」のひとつをご紹介します!



「香寿(こうじゅ)」というお茶です。こちらは現在品種登録を申請中とのことです。



山梨秀一商店さんありがとうございました!


試飲させていただいたところ、芳醇な香りがふわりと抜けていきました。
ほんのりと葡萄のような香りがするということで、商品名は「葡萄茶」でした。香料で香りをつけたわけではないのに、お茶そのものの特徴ある香りにびっくりです!


茶葉はこんな形をしています。



普通の煎茶は針のように細く長い形をしていますが、こちらは丸まっている感じ。
このような煎茶をぐり茶と呼びます。

ぐり茶は普通の煎茶と製造工程が少し異なります。
普通の煎茶は茶葉の形を整えるために精揉(*)という作業をしますが、ぐり茶ではそれを行いません。
その結果、茶葉を傷めず、茶の成分が浸出しやすく、渋味が抑えられるとされています。
*煎茶製造で茶葉を乾燥させながら整形する工程。


ところで、上の写真を見ると、茶葉の中に白っぽいものがあるのが分かると思います。
これは葉に産毛のようなものがあるためです。この産毛は、全ての茶葉にあるわけではありません。一番茶を摘み取るまだ早い時季、寒さを防ぐためか、若い芽にはこのような産毛が見られるのです。
つまり、白っぽい葉があるということは、若い芽を使用しているということ!高級茶のしるしであるといえます。


早速、香寿を自分でも淹れてみました。



五煎目くらいまで淹れても、出がらしのにおいがなくおいしく飲めました。

煎茶と一口にいっても、本当に奥が深い・・。
品種や生産地、製造方法などによって風味が変わります。自分の好みにあったお茶を探すのも楽しいのではないでしょうか。

東北地方の方にも温かいお茶を飲んでほっとできる日が早くきてほしいです。