静岡の八十八夜新茶を味わう

5月26日、静岡県主催「静岡八十八夜新茶を味わい、お茶と健康を考えるセミナー」が開催されました。



会場に入ると掛川新茶の冷茶が振る舞われました。そして、静岡県川勝平太知事から挨拶がありました。

始まりはなんと歌から!

♪夏も近づく八十八夜〜野にも山にも若葉が茂る〜すげの笠♪

八十八夜とは、立春から数えて88日目のことで、今年は5月2日にあたります。静岡では5月2日前後に摘んだお茶を八十八夜新茶と呼んでいます。
新茶は栄養成分が豊富で、味や香りがよいという特徴があります。さらに、八十八夜新茶は「八十八」の文字が末広がりで縁起のよいものとされています。
川勝知事は、八十八夜新茶を広め、今の日本に薄れつつある季節感を取り戻していきたいとお話されていました。


次に、掛川市立総合病院、緑茶予防医学・健康科学研究所所長の鮫島庸一氏
から「緑茶飲用習慣と健康の関係」と題した講演がありました。

緑茶は静岡の様々な地域で生産されていますが、今回は掛川市がケースに挙げられました。
掛川市は、平均寿命が長い、老人医療費が少ない、がんによる死亡率が低い、長寿獲得コストが低いなどの特徴があります。
そうした健康の秘訣として、緑茶を飲む習慣が関係しているのではないかと鮫島氏はお話されました。そして、その理由として、緑茶を飲むことで、緑茶カテキンの作用により、「アディポネクチン」というホルモンが増加する可能性を挙げていました。
アディポネクチンは病気の予防に重要なホルモンで、血管を守り、血流をよくするなどの作用があります。
鮫島氏の研究グループは、アディポネクチンの血中濃度が20μg/dlと低いC型肝炎患者が、緑茶粉末を一日6g服用すると、アディポネクチン濃度が増加率20%と有意に増加することを示しています。
(緑茶粉末6gは緑茶にするとおよそ20杯分。この量をお茶として飲むのは大変ですね。)

掛川市民の多くは一日に緑茶を5,6杯飲んでいるそうで、掛川市民の健康の秘訣=緑茶!とは科学的に明確ではないものの、何らかの関係があるものとして盛んに緑茶の健康効果に関する研究が行われているんですね。


鮫島氏の講演の後は、川勝知事との対談が行われました。ここで、次のようなお話がされました。
・お茶+牛乳、お茶+ビタミンAの組み合わせは、カテキンの吸収をよくする。
・お茶の品種によって成分が異なるので、健康と品種との関連はさらに研究をしていく。
・お茶の香りや色を感じることで心をほっとさせることができるので、皆さんにもどんどん飲んでもらいたい。


対談が終わり、「静岡八十八夜新茶とお茶スイーツを楽しむ会」が続きました。
テーブルに急須と三種類のお茶が運ばれました。



お茶は、本山(ほんやま)、清水(しみず)、春野(はるの)の三つ。品種はおそらく全て「やぶきた」ですが、栽培された地域が異なります。

そして、お茶で作ったデザートも!



小豆の上に角切りにしたお茶ゼリー、その上に生クリームとバニラアイスクリーム、お茶のかき氷が盛られています。
お茶と牛乳を合わせた方がカテキンの吸収がよくなるとのお話があったので、このようなデザートになったのかと思いました。

お茶もデザートもおいしかったです♪


さらに、お土産として掛川新茶を頂きました。



早速淹れてみました。


色からすると、味が濃くて渋いかと思いましたが、甘味があって飲みやすかったです。