葡萄・ぶどう・ブドウ!

10月に入り、ようやく秋の気配を感じられるようになりました。
お店に並ぶ食べ物も、秋の旬のものが増えてきています。その中のひとつ、ブドウについて今回はご紹介します。



「黒」のブドウ


ブドウの歴史は古く、紀元前3000年の古代エジプトから栽培されています。
その品種は約1万種もあるとされ、現在では世界のあちこちでもっとも多く栽培されているフルーツなのだそうです。

ブドウといえば、世界では「ワインの原料」が主な存在意義となっているかもしれません。実際に世界のブドウ生産量の約8割がワインとして消費されています。
ただし日本では約9割が生鮮フルーツとして消費されています。


ブドウの種類
ブドウは果皮の色から大きく三つ、赤・黒・緑に分類されます。例えば、赤は甲斐路や安芸クイーン、黒は巨峰やピオーネ、緑はマスカットなどです。

糖分は14〜25%、酸度は0.4〜1.2%の間で品種ごとに異なります。

香りについても様々です。かなり弱い青臭い香りのするものもあれば、マスカットのように花や柑橘のような香りのするもの、ジュースによく用いられるコンコードのように甘い香りのするものなどです。

このようにブドウには多種多様なものがありますが、現在は、種がなく甘酸っぱくて貯蔵期間の長い品種が商業栽培されることが多いようです。


そう、ブドウには種があるものとないものがあります。
種のないブドウは、そういった品種があるというわけではなく、栽培中にある作業を行うことで作られます。それは、開花の前後にまだ小さい状態のブドウの房をジベレリンという専用の農薬につけるというものです。
「農薬につける」というと心配になってしまう方がいるかもしれませんが、他の農薬と同様、実際にはごく薄い濃度で用いられるため、安全性には問題がありません。
ジベレリンは元々、植物が生産する植物ホルモンのひとつで、植物の成長を促進させる役割があります。ブドウの房をジベレリンにつけることで、種ができないまま果実を大きくさせることができるのです。
なぜ種のないブドウが作られるのかというと、ブドウをひとつひとつ口に運ぶときに小さな種を出すのが面倒だろうから・・ということなんですね。


ブドウの栄養成分
ブドウには、アントシアニンカテキンといったポリフェノール類が多く含まれています。特に種や果皮に多く、また、緑のブドウより赤のブドウに多いことが分かっています。
ポリフェノールには病気や老化の原因となる活性酸素を除去する抗酸化作用があると俗に言われています。
ブドウの中には皮ごと食べられる品種もあるので、機会があればこのことを思い出してみてください。



「赤」のブドウ


新鮮なブドウの見分け方
新鮮なブドウは、軸が太く青い、果実表面にブルーム(*)が付いている、黒のブドウであれば果皮の色が濃いもの、緑のブドウであれば果皮が黄色っぽいものです。
ブドウは日持ちしないので、なるべく早く食べるようにしましょう。食べきれない場合は、新聞紙にくるむかビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存するとよいでしょう。
*ブルームとは、果実表面に出ている白っぽい粉状のものです。詳しくはスモモの記事をご覧ください。


今回は黒と赤のブドウをいただきましたが、今度は緑のブドウを食べたいです。
スーパーや八百屋によって置いてあるブドウの品種は様々です。この秋新たなブドウに出会うのが楽しみです!