生醤油はキジョウユ?ナマジョウユ?

焼き魚にかけたり、煮ものに加えたり、お刺身につけたり、たまごかけご飯にたらしたり・・

醤油は和食に欠かせない調味料です。最近では、海外でも和風メニュー「テリヤキ」の調味料として、また、料理にコクを出すための隠し味としてよく用いられるようになりました。


本当に身近な醤油ですが、実はまだまだ知られていないことがありそうです。

例えば、生醤油とはどんなものでしょうか。


生醤油を知るためには、醤油の作り方を知る必要があります。

醤油の材料は主に、大豆、小麦、食塩で、味噌や納豆と同じように微生物の働き(発酵)によって作られます。

作り方はいくつかありますが、最も古くから行われており、現在でも一般的な本醸造方式は次の通りです。
まず、蒸した大豆と炒った小麦を混ぜ合わせ、麹菌を加えて数日間培養し、麹菌を増殖させます。それに食塩水を加えてタンクに詰めます(これをもろみといいます)。
タンクを微生物の活動に適した温度と湿度に調節した部屋に置き、半年から一年の間寝かせます。この間に麹菌の酵素や乳酸菌、酵母による発酵が行われます。
その後、粕を取りのぞきます。この状態では液中には生きた微生物が含まれており、生醤油と呼ばれます。さらに、生醤油を加熱(火入れ)して微生物の働きを止め、色や香りを整えたものが一般の醤油として販売されることになります。


ところで、一般に売られている生醤油には、正式にはキジョウユと読むものとナマジョウユと読むものがあるそうです。

農林水産省の「しょうゆ品質表示基準」によると、ナマジョウユは最後の火入れを行わず、微生物を精密ろ過して取り除いたもののことを指します。一方で、キジョウユは、火入れをするかしないかは関係なく、食塩以外のものを添加していないもののことを指します。

生醤油は、香りが普通の醤油よりも強いと言われます。
火入れや精密ろ過を行わない場合、微生物はまだ生きている状態なので冷蔵保存をしなければなりませんが、普通に売られている生醤油についていえば、生きた微生物を含んだものはほとんどないようです。