うすくち醤油は何が薄い?

皆さんの家ではうすくち醤油とこいくち醤油のどちらを使っていますか?
料理によって変えるという人もいるかもしれませんね。


うすくち醤油はその名前から塩分が低いものだと思われがちですが、実はこいくち醤油よりも塩分は高くなっています。
こいくち醤油の塩分濃度は約16%なのに対して、うすくち醤油は約18〜19%です。

「うすくち」の薄いとは、しょっぱさではなく、色と香りなのです。
うすくち醤油は食材の味や色味をいかしたい時に使うといいでしょう。ただし、色がうすいからといって、たくさん使わないように気をつけてください(味見をしながら使うといいですね)。


醤油はJAS規格により五種類(こいくち、うすくち、たまり、さいしこみ、しろ)が定められています。
この中でうすくち醤油は関西で生まれ、現在も関西でよく用いられています。
よく「関東のうどんのつゆは真っ黒だ」と関西の人は言いますが、これは使う醤油(うすくちかこいくちか)の違いにあるのですね。

先日、醤油の作り方をご紹介しましたが、醤油は麹菌などの微生物の発酵により作られます。うすくち醤油は、こいくち醤油よりも食塩をたくさん加え、微生物の発酵を抑えることで色や香りが薄くなっています。

また、愛知県の特産物であるしろ醤油はうすくち醤油よりもさらに淡い琥珀色をしています。
しろ醤油の主な原料は他の醤油と同じ、大豆と小麦、食塩です。しかし、他の醤油と違い、大豆より小麦の割合の方が多くなっています(小麦が約9割)。そのため、他の醤油にはない甘みや独特の風味があると言われます。なお、塩分についてはうすくち醤油と同程度です。
しろ醤油は一般的に、淡い色を保つために最後の火入れを行わないそうです(ただし、微生物はろ過で取り除いています)。


地方によって様々な色や風味の醤油があるのですね。
普段使わないような醤油にトライしてみると、さらに献立のバリエーションがひろがりそうです。