春を先取り―桜餅―

立春を迎えましたが、まだまだ寒い日々・・ぽかぽか陽気の春が来るのが待ち遠しいです。

街で春を感じる和菓子を見つけました。桜餅です♪



桜餅は1691年、五代将軍綱吉の時代に生まれました。

江戸向島にある長命寺の門番であった山本新六が、数百本の桜の落葉の掃除に追われ、これらを何かに使えないかと考えたのが始まりです。

まず、葉を醤油に漬けて売ってみましたが、これはすぐに飽きられてしまいました。
そこで、塩漬けにしました。その葉は、小麦粉を溶いて薄く焼いた皮に、こしあんを包んで二つ折りにしたものを包むのに使いました。このお菓子は花見客に喜ばれ、江戸名物のひとつになったのです。このお菓子が少しずつ改良され、現在の長命寺桜餅になっています。


ちなみに同じ桜餅でも、関東では長命寺桜餅、関西では道明寺桜餅といい、材料が違います。(関東でも道明寺桜餅はよく見かけますが・・)
道明寺桜餅は、小麦粉ではなく道明寺粉を使います。
*道明寺粉:もち米を蒸した後乾燥させた乾飯(ほしいい)を適当な粒に荒挽きしたもの。


また、桜餅になくてはならない桜の葉ですが、どんな種類の桜でもいいというわけではありません。ほとんどが伊豆で生産されているオオシマザクラです。
5〜6月頃、毛が少なくやわらかい、長さ15cm程度の葉を丁寧に手摘みしていきます。
その後樽の中で半年間塩漬けします。塩漬けすることにより、生の桜の葉にはないクマリンという香り成分が生まれるのです。


桜餅のあの香り、癒されます。では早速お茶と共に〜♪



葉の塩加減とあんこの甘さが何ともいえません。