なるととかまぼこの違い

皆さんはなるとをどのような料理で食べますか?

なるとといえばラーメンを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、ちゃんぽんやチャーハンに細長く切ったなるとが入っていることもよくあります。また、静岡の焼津ではなるとをおでんの具にするそうです。
なるとを使う料理は意外と多そうです。



白とピンクの渦巻き模様で周りがギザギザのなると・・なんだかユーモラスな外見ですが、魚のすり身が原料である、かまぼこの一種です。
かまぼこは、魚肉に食塩を加えたもの、またはこれに砂糖やでんぷん、弾力増強剤、保存料などを加えたものを練りつぶしたもの、と定義されます。


かまぼこの生産地といえば、静岡の焼津が思い浮かびますが、なるともその消費量の9割は焼津で生産されているそうです。
とはいえ、なるととかまぼこ(普通に売られている板についたもの)は見た目も然ることながら、食感が違います。板かまぼこは弾力があるのに対して、なるとはもう少ししっとりとした舌ざわりがするように感じます。

こうした違いは、でんぷんの含有量によるものです。

でんぷんは、じゃがいもやタピオカなどから採りだされたものが使われます。このようなでんぷんが、一般的に板かまぼこに比べてなるとには多く含まれているのです。


なるとは麺類によく使われるため、麺の食感となじむようにあのような食感にしているそうです。
一方で、板かまぼこは「板わさ」など、そのものの食感や風味を楽しむことが多いと思います。そのため、板かまぼこはでんぷんの含有量が少なく、魚の風味がより感じられるようになっているのかもしれません。


用いられる魚の種類(スケトウダラ、グチ、エソ、ハモ、アジ、タイなど)によっても風味は変わります。
どの魚が用いられているかは、原材料表示の「魚肉」の後に括弧書きで、原材料に占める重量の割合が多いものから順に記載されていますので、見てみてください。


また、板かまぼこは蒸して加熱するのに対して、なるとはゆでて加熱することが多いようです。

作り方は・・

(1)魚から魚肉をとり出す
(2)魚肉を水にさらす
(3)ミンチ状にする
(4)塩などの調味料を加え、練る

ここまでは一緒です。

これ以降、板かまぼこは板の上にすり身をのせ形を整え、蒸します。

なるとはピンク色に着色したすり身を白いすり身に巻き込み、すだれを使って形を整え、ゆでます(メーカーによっては板かまぼこと同様に蒸すこともあるようですが)。
すだれを使っているから周りがギザギザになるのですね。


ところで、なると(白い部分)や板かまぼこは、きれいな白い色をしていますが、これは漂白剤を使っているのではなく、白身魚を原料としているからです。
水によくさらすことで魚の脂肪や血が取り除かれ、あのような白い色になるのです。


<参考:全国かまぼこ連合会