小麦粉のいろいろ

日本人の主食はコメですが、小麦を使った料理もたくさんあります。例えば、うどんやお好み焼き、たこ焼き、天ぷら、お焼き、すいとん・・。料理のつなぎに使うことも多いと思います。

スーパーには、強力粉と中力粉、薄力粉という三つの小麦粉が置いてあるのをよく見かけます。パンを作る時は強力粉、ケーキを作る時は薄力粉というように、当たり前にそれを選んでいるかもしれませんが、これらの違いが何なのかをご存じですか?


強力粉と中力粉、薄力粉はそれぞれ、含まれるたんぱく質の質と量の異なる小麦からできています。


まずは、たんぱく質の量の違いについて・・

強力粉は、たんぱく質の多い(12%以上)小麦から作られ、パンや中華麺などの材料となります。薄力粉は、たんぱく質の少ない(7%以下)小麦から作られ、お菓子や天ぷらに使われます。
中力粉は、もう想像がつくと思いますが、強力粉と薄力粉の中間くらいの量(8〜10%)のたんぱく質を含む小麦から作られ、うどんや素麺などに使われます。


さらに、それぞれたんぱく質の質も異なります。
小麦粉の中に含まれるたんぱく質は、水を加え練られると、粘着性と弾力性をもつグルテンを形成します。うどんの生地などの、べたべたと粘り弾力のある感じは、このグルテンによるものなのです。
強力粉は強いグルテンをたくさん形成するのに対して、薄力粉が形成するグルテンは弱く、少ないのです。例えば、ケーキを薄力粉ではなく強力粉で作ったとしたら、おそらくパンのようにぎゅっと目が詰まった噛みごたえのあるものになるでしょう。ケーキは、強いグルテンが形成されない薄力粉で作るからこそ、ふわふわとしたおいしいものになるのです。
さらに、ケーキのレシピによく「さっくりと混ぜ、練らないようにしましょう」と書かれているのは、練りすぎることで必要以上にグルテンができてしまうことを避けるためです。


また、パスタ専用の小麦粉として、デュラム・セモリナ粉というものがあります。
こちらは、たんぱく質含有量の多い小麦(デュラム小麦)から作られ、グルテンをたくさん形成するという点は強力粉と同じですが、そのグルテンの質は強力粉のように強くなく、柔らかいという特徴があります。また、他の小麦粉は純白なのに対して、デュラム・セモリナ粉は黄色っぽいのです。


それぞれの料理にあった小麦粉を選んで、もっちりとした食感やふわふわした軽い食感など、おいしい食感を見つけてみましょう!