いい香り・・燻製

先日、包装技術について書きましたが、今回は昔から行われている保存の技術「燻製」をご紹介します。

燻製と聞くと、スモーク○○○のように、独特の風味を楽しむ食べ物!と思う方もいるかもしれませんが、元々燻製は腐敗を遅くする目的で行われてきました。燻製は、塩漬けして脱水、乾燥させた食材に、囲炉裏や暖炉などの煙を使って燻煙(*)することです。
*燻煙:煙に含まれる殺菌・防腐成分を食材に浸透させることです。燻煙には、香りの良いサクラ、ブナ、カシワ、クルミ、ナラなどの木材を使用します。


なぜ、燻製に保存性があるのか?それは、燻煙に関係がありそうです!

木材の煙には、ホルムアルデヒドや酢酸、そのほか有機酸など、微生物の生育を妨げる様々な化合物が含まれています。また、燻煙に含まれるフェノール化合物の多くは抗菌活性をもち、フェノール自体が強力な殺菌剤になります。
塩漬けや乾燥に加えて燻煙することで、燻製は保存性が高まるのですね。


燻製は大きく分けて三種類あります。

●温燻法・・・30〜60℃で数時間〜1日程度燻します。最も保存性が高いとされ、一般に燻製と言えば温燻を指します。
例)ベーコン、ビーフジャーキー

●熟燻法・・・80〜120℃の高温で10〜60分程度燻します。色づきと香りが良く仕上がります。
例)スモークチキン

●冷燻法・・・15〜30℃で長時間燻煙のみをかけます。
例)生ハム、スモークサーモン、スモークチーズ



写真1. スモークチーズ(冷燻)とビーフジャーキー(温燻)


日本の燻製食品には鮭とば、鰹節、燻製たまご、いぶりがっこがあります。いぶりがっこは大根をいろりの煙で燻し漬けたお漬物です。

そのほかにこんな物を見つけました!
スモークドオイスターです。これは冷燻した牡蠣をオイル漬けにし、缶詰にしたものです。クラッカーにマヨネーズと一緒にのせてみました。



おいしくて長持ち!ありがたいです。自分でも一度燻製してみたいと思いました♪