コメからできた粉

先日、米粉で作られたシフォンケーキを食べました。



そういえばここ数年、米粉で作ったパンや米粉で作ったケーキなど、米粉という言葉をよく目にします。なぜ今米粉なのでしょうか・・?


現在、日本では食料自給率を向上させるために、国産農産物の消費拡大が図られています。
農林水産省は平成20年に、生産、流通、消費それぞれの立場で問題意識を共有し、国産農産物の消費拡大に取り組もうという目的で、「食料自給向上に向けた国民運動推進事業」を立ち上げました(*1)。
*1:FOOD ACTION NIPPONという運動を行っています。


日本の自給率は戦後大きく低下し、ほとんどの食品を輸入に頼るようになっていきました。
そうした状況の中でも米は自給率の高い食品のひとつですが、日本人の食生活の変化により消費量は年々減少しています。
そこで、米の消費が増えれば食料自給率の向上につながるのではないかと考えた農水省は、FOOD ACTION NIPPONのひとつとして「米粉」を通じて新しい食の可能性を広げようと、その推進を図っているのです。
輸入に頼っている小麦粉で作った食品を米粉で代用することができたら自給率が向上すると考えたわけですね。


米粉うるち米やもち米を粉状にしたものです。以前から和菓子のほか生春巻きに使うライスペーパーやフォー、ビーフンの材料として用いられていました。

米粉は約75%がでんぷんです。そのでんぷんの大きさは主要穀物の中で最も小さく、小麦のグルテン(*2)が含まれておらず、吸水性は高くありません。
*2:グルテンについてはこちらを見てみてください。

こうした米粉の特性をお料理に生かすことができます。
例えば、米粉を天ぷらに用いると衣はさくさくとし、冷めてもかたくなりにくく、また、油を吸いにくいのでカロリーが抑えられるそうです(小麦粉の油の吸収率は50%弱で、米粉は30%弱)。
また、お菓子に使うのも便利です。小麦粉を使ってケーキを作るとき、生地を混ぜすぎるとグルテンが形成されかたくなってしまいます。この点で米粉では、こうした失敗は少なくなります。


実は・・シフォンケーキのほかに米粉のパンも買いました。もちもちっとしていてほんのり甘く、おいしかったです。
今後も日本人として米粉に注目していきたいです。では早速・・おだんごでも買いに行こうと思います。