叩いておいしい料理

カツオがおいしい季節です!

みなさんはカツオをどのようにして食べるのが好きですか?旬の時季はお刺身で・・という人もいれば、やっぱりたたきが一番!という人もいるでしょう。
今回はこの「たたき」について書きたいと思います。


さて・・
カツオのたたきって、何をどう「叩いている」のでしょうか。

アジのたたきというものもありますが、あれは生のアジを包丁で細かくバンバンと叩いて薬味を混ぜこみ、醤油などで食べるものです。
一般的にいうカツオのたたきとは、表面をあぶったカツオをお刺身のように切り、醤油やポン酢などで味をつけ、薬味と一緒に食べるものですね。牛肉のたたきもこれと同じようなものです。

これらはアジのたたきのように「叩く」という行為はないように思えますが・・
実はカツオのたたきは、表面をあぶったカツオに味をなじませる時に、手や包丁の腹で叩くとよいとされているのです。叩くことでやわらかくなり、味がなじむのですね。


カツオのたたきの起源は江戸時代の土佐藩です。
この頃疫病がはやり、カツオのお刺身が禁止されたことがありました。しかし、完全に火を通したカツオではつまらないということで、周囲の目をごまかすために、表面を火であぶったたたきができたといわれています。
疫病のリスクを顧みずとも、おいしいものを食べたい!・・という人がいたのですね。


ほかにも、叩いておいしい料理はあります。

例えば・・

おせち料理の一品にもなっているゴボウのたたきも、ゴボウを叩いて作る料理です。ゴボウの繊維はかたいので、包丁で叩いて組織を壊すことで味がなじみやすく食べやすくなります。

中華料理のバンバンジーもそうですね。バンバンジーは中国語では「棒棒鶏」と書きます。
焼いた鶏肉を細く裂いたものとキュウリの細切りにゴマだれをかけて食べる、夏においしい一品です。
バンバンジーは、焼いた鶏肉をやわらかくするために棒で叩くことから、「棒」という文字が使われているのです。(バンバンと叩くからバンバンジーというのではなかったのですね・・)


他にも叩いておいしい料理はあるでしょうか?