赤味噌と白味噌

砂糖ワインに続き、食べものの色の違いについて書きたいと思います!


今回は味噌。味噌は、味噌汁にはもちろん、田楽にしたりもろきゅうにしたり煮物や炒め物の味付けに使ったりと、便利でおいしい日本の調味料です。
味噌には赤味噌白味噌などがありますが、こうした色の違いはどのようなことからくるものなのでしょうか。


味噌は醤油や納豆と同じように、微生物の発酵によって作られます。

作り方はまず、麹菌を活性化させるために、蒸した穀物や豆に麹菌を付け、容器に入れて数日間寝かせることから始まります。
このとき穀物や豆のどれを使うかによって、豆味噌、米味噌、麦味噌と種類が決まります。
農林水産省米麦加工食品生産動態等統計調査によると、平成21年度もっとも生産量が多かったのは米味噌で、全体の約8割を占めました。米味噌は全国的に一般的な味噌です。ちなみに、豆味噌の代表例に名古屋の八丁味噌があります。


こうしてできるのが麹です。ここに加熱してやわらかくし潰した大豆、塩を混ぜ合わせます。食塩の濃度は5〜15%です。
そして、菌が働きやすい温度(30〜38℃)に置いた樽で、伝統的な製造法では数ヵ月から数年の間、発酵・熟成させ、味噌を作ります。現代の工場生産の方法では、発酵・熟成の期間が数週間から数ヵ月と短くなっています。
発酵・熟成の間に味噌の中に褐変物質が生じ、色は濃くなっていきます。一般的に、赤味噌は3〜12ヵ月、白味噌は2〜6ヵ月熟成させるそうで、赤味噌の色の濃さはここに理由があるのです。


発酵・醸造の長さによって味の違いも生まれます。
発酵することで、大豆のたんぱく質が分解されアミノ酸となり、うま味が形成されます。そのため、発酵・熟成の期間が長いほどうま味物質が多く生成され、コクの強い味噌になります。
また、熟成中に味噌作りと関係のない雑菌が増殖しないように、一般に熟成期間が長い赤味噌では食塩濃度を高くしています。
醤油では色の薄いうすくち醤油の方が塩分濃度は高めで、味噌とは逆ですね。(うすくち醤油についてはこちらをご覧ください。)