秋に新茶?

春に新茶についてご紹介しましたが、秋にも新茶があります!
秋の新茶は摘み取ったばかりの茶葉というわけではなく、春の茶葉を熟成させたものです。見たことありますか・・?



本来、新茶とは八十八夜に摘み採られたもののことです。
熟成茶は、この茶葉を最後まで仕上げずに一定の温度と湿度に保たれている場所で保存します。そして、初秋になったら火入れをして完成させます。2、3年熟成させたものもあるようです。
使用している茶葉が新茶なので、秋の新茶と呼ばれるのですね!



茶葉は黄色味が強い感じです。

熟成茶は江戸時代に徳川家康も飲んでいたそうです。
家康は新茶の時期に摘み取った茶葉を茶壺に入れ、涼しい蔵で保存していました。新茶の香りや味わいが秋になるまで置くと一層深まることを知っていたのでしょう。
静岡県では今でも伝統に則り、毎年秋には茶壷を開ける「口切りの儀」を行っているそうです。


熟成というと、ワインなどのお酒を思い浮かべる方が多いと思います。それでは、アルコールでもなく塩分濃度が高いわけでもないお茶は腐らないのでしょうか?
適切でない保存法では、日を追うごとに確かにお茶は劣化してしまいます。しかし、正しい方法で寝かせた場合は劣化ではなく熟成するのです。


熟成期間には、茶葉に緩やかな酸化発酵が起こっています。
このことにより、新茶の若葉独特の香り成分(ジメチルスルフイドやヘキセノール)が薄れ、花のような香りがでてきます。また、カテキン類の渋味成分が減り、飲みやすくなります。


秋の匂いを感じる今日この頃(寒いくらい・・)、温かい熟成茶をのんでほっとしたいと思います。



予想通りまろやかでした。
一煎目はぬるめのお湯で、二煎目は熱めのお湯で淹れます。火香(*)が強く香り・・和菓子が食べたくなりました。
*お茶の香りについてはこちらを見てみてください。