たまごは洗う?洗わない?

先日の記事で、鶏がサルモネラ菌に感染されている場合は、産み落とされた卵の殻にもサルモネラ菌が付着していることがある、と書きましたが・・

では、たまごは料理する前に洗った方がより衛生的ということでしょうか?


簡潔に言うと、
家庭ではたまごは汚れがあっても洗わず、ふき取る方が衛生的です。


実は現在は、スーパーなどに置いてあるたまごは既に洗われているものがほとんどなのです。

たまごはGPセンターという場所で洗われます。GPはGrading(格付け)とPacking(包装)の頭文字です。ここでは、養鶏場から届いたたまごの品質検査、サイズ分け、洗浄、乾燥、検卵、パック詰めの一連を行います。

GPセンターでは、サルモネラ菌による食中毒の発生を防止するために厚生労働省が作成した、「衛生管理要領」で定められた基準に基づいて洗浄や乾燥などの作業が行われます。
例えば、洗卵は飲料できる水を用い流水式で、温度は30℃以上かつたまごの温度より5℃以上、洗浄水とすすぎ水は殺菌剤を用いる・・などという決まりがあります。

一方で、家庭で適当にたまごを洗うと、たまごの殻にたくさんある小さな穴(気孔)から水とともに細菌などが入ってきてしまうことがあります。そのため、家庭ではむしろ洗わない方が衛生的であると言えるのです。


ところで、以前はよく「たまごの表面がザラザラしているものの方が新鮮だ」と言われていました。
その理由は、産み落とされた直後のたまごの表面には、微生物などの侵入を防ぐためのクチクラ層という薄い層があってザラザラしているのですが、この層は時間の経過とともに摩擦などによってなくなっていくからです。

しかし、出荷前に洗浄されることが多い今日では、必ずしも表面のザラザラが鮮度の目安になるとは限りません。洗われたたまごはクチクラ層がなくなり、表面がつるつると光沢があるのです。


たまごは賞味期限内であれば生で食べられますが、賞味期限を超えたものは加熱調理でいつまで大丈夫?鮮度の目安は?次回ご紹介したいと思います。