冷凍食品の期限表示

先日は、アイスクリームに期限表示がない理由について書きました。
それでは、同じように冷凍庫内で保存する冷凍食品には期限表示があるのはなぜなのでしょうか?


農林水産省加工食品品質表示基準により、加工食品には期限表示をしなくてはならないことになっています。枝豆やニンジンなどを茹でただけというような加工度の低いものから、コロッケや餃子など加工度の高いものまで原則的には全てです。

そのため、加工食品を冷凍させた場合でも、この基準に則り期限表示をする必要があります。
冷凍ブルーベリーのように生の野菜や果物を単に冷凍させたものは加工食品ではなく生鮮食品に分類され、期限表示をする必要はありません(メーカーが自主的にしていることもありますが)。


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それでは、アイスクリームも加工食品なのに、なぜ?理由は大きくふたつあります。

まず一つ目は、先日の記事にも書いたように、アイスクリームは原材料が単純で安定しているから、ということです。

二つ目の理由は、冷凍食品の品質を保つ秘訣にヒントがあります。
冷凍庫内のような低温では細菌が増殖できないため、品質が劣化するスピードはごくゆるやかです。社団法人日本冷凍食品協会のHPによると、冷凍食品は、常に−18度で保存するという条件のもとで、約一年間は最初の品質が保たれるそうです(ただし、家庭の冷凍庫は開閉が多く、冷凍庫内の温度の変化があるので、品質が保たれるのは約2〜3ヵ月程度)。
この「常に低温で保存する」ということが品質の保持にとって重要で、一度解凍して再凍結させることは品質の劣化につながるのです。
ここで、アイスクリームは一度溶けて再凍結させたものは見た目で判断できるけれど、多くの冷凍食品はそういった判断がしにくいということがもうひとつの理由として挙がるのです。