黒砂糖の方が体にいい?

前回に引き続き、白砂糖と黒砂糖のお話です。

黒砂糖にはミネラルがたくさん含まれており、健康や美容によいと言われることもありますが、これは本当なのでしょうか?


五訂日本食品標準成分表に記載されている、白砂糖と黒砂糖の100g当たりのカロリーとカリウム、カルシウム、マグネシウムの含有量は次の通りです。


砂糖
カロリー (kcal)
カリウム (mg)
カルシウム (mg)
マグネシウム (mg)
384
2
1
微量
354
1100
240
31


確かに黒砂糖の方にミネラル分が多く含まれていることが分かります。というより、白砂糖にはほとんど含まれていないと言った方がいいかもしれません。


では、日本人は一日にどれだけのミネラルを摂るべきなのかというと・・
厚生労働省食事摂取基準(2010年版)によると、30〜49歳の男性について、カリウムの一日摂取目安量は2,500mg、カルシウムの推奨量は667mg、マグネシウムは370mgでした。同年代の女性はそれぞれ男性よりもいくらか少ない量になります。

砂糖を一日にどれくらい摂るかは個人差が大きそうですが、仮に40gだとして全て黒砂糖を使用するとした場合、砂糖から摂取できるミネラルは、カリウムが440mg、カルシウムが96mg、マグネシウムが12.4mgです。


ちなみに、今が旬のきゅうりには、100g当たり、カリウムは200mg、カルシウムは26mg、マグネシウムは15mg含まれています。きゅうり一本はおよそ100gです。ここで忘れてはならないことは、健康をつくる栄養素はミネラルだけではないということです。たんぱく質や炭水化物、ビタミン、食物繊維などもあります。


そしてもちろん、黒砂糖やきゅうり以外の野菜や果物、肉などにもミネラルを含め様々な栄養素が含まれています。
ミネラル供給源として黒砂糖に期待を込めるよりも、様々な食材を組み合わせてまんべんなく栄養素を摂取することを意識した方がよいでしょう。