白砂糖と黒砂糖の色の違い

先日、白い蕎麦と黒い蕎麦の違いについてご紹介しました。
引き続き、「色の違いはなぜ?」のシリーズで、砂糖について書きたいと思います。白砂糖と黒砂糖です。


時々、白砂糖は人工的に白くしたもので、黒砂糖は自然に近いものだという声を見聞きすることがあります。これは本当なのでしょうか?


砂糖はサトウキビやテンサイから作られます。
サトウキビは日本では沖縄など暖かい地域で栽培され、茎の部分から砂糖を作ります。
一方で、テンサイは北海道など寒い地域で栽培される、ダイコンのような形をした植物で(別名サトウダイコンといいます)、砂糖作りには根の部分を使います。
どちらも甘い砂糖になるけれど、植物としての気候に対する性質はこんなにも違うのですね。

元々、砂糖はサトウキビから作られており、1700年までは高級品でした(それ以前の甘味といえばハチミツ)。その後、ヨーロッパによる西インド諸島の植民地支配により、砂糖の消費量が爆発的に増加しました。
テンサイが砂糖の原料として認められたのは1747年、化学者のアンドレアス・マルグラーフが、テンサイのしぼり汁をブランデーで抽出すると、砂糖の結晶がサトウキビから抽出する場合と同程度とれることを示したことによります。

現在は、世界の砂糖生産量の約70%がサトウキビ、約30%がテンサイから作られているそうです。


さて、白砂糖と黒砂糖の違いですが、それは製法の違いからくるものです。

サトウキビから砂糖を作るとき、まずサトウキビのしぼり汁を煮詰めます。
この段階でしぼり汁は茶色なのですが、これは糖蜜が含まれているからです。糖蜜というと、これだけでも甘くおいしそうな感じがします。しかし、ブドウ糖や果糖などの糖分のほかに、糖分以外の不純物(甘味を邪魔することもある)も含まれています。

白砂糖の製法ではこの後、沈殿やろ過などをすることで糖蜜を取り除いていき、透明な砂糖の結晶を得ます。透明な結晶は光を乱反射するので、私たちの目には白く見えます。
一方で、黒砂糖は糖蜜を分離せず、濃縮し固めて作るため、褐色をしているのです。


このように、白砂糖と黒砂糖は糖蜜が含まれているかどうかの違いがあるため、前者は分蜜糖、後者は含蜜糖とも呼ばれます。白砂糖は人工的に白くしているというわけではないのです。


味の違いでいえば、黒砂糖は糖蜜を取り除いていない分、複雑な味がするかもしれません。コーヒーや紅茶、ケーキなど、食材の繊細な味や香りを生かしたいときは白砂糖、煮物などの料理でコクを出したいときは黒砂糖・・というように使い分けてみてはいかがでしょうか。


ところで、黒砂糖には白砂糖よりもミネラルがたくさん含まれており、健康や美容によいと言われることもありますが、これについてはどうなのでしょうか?この続きは次回・・!