カルビとロース

今回は焼き肉のお話です。(忘年会で胃もたれ気味の方は要注意!)


家でホットプレートを使って焼き肉をするという人もいれば、もっぱら焼き肉店で食べるという人もいるでしょう。

焼き肉店のメニューにならぶお肉には、大きく分けてカルビと呼ばれるものとロースと呼ばれるものがあります。
カルビはあぶらが多く入っているお肉、ロースはより赤身の部分が多いお肉・・味としては、一般的にそのような違いがあることは知られていると思います。
あぶらっぽいものを食べたいときはカルビ、そんなに食べられないときはロースで、という選び方をしている人もいるかもしれません。


☆カルビとロースはそれぞれ牛のどの部位?
農林水産省食肉小売品質基準によると、スーパーや肉屋などの小売店において「ロース」として販売できるのは、肩ロース、リブロース、サーロイン、ヒレ、の部位とのことです。
肩ロースは字の通り、肩の部分のお肉で、リブロースは肩ロースとサーロインをつなぐ背中の部分のお肉、ヒレはサーロインの内側にあるお肉です。



図. (1)肩ロース(2)リブロース(3)サーロイン(4)ヒレ(5)肩バラ(6)ともバラ


よく動かす筋肉より動かさない筋肉の方がやわらかいと言いますが、ヒレはほとんど動かさない部分のためもっともやわらかく、また、一頭からとれる量も少ないので、高い価格がつけられてることが多くなっています。

売店ではロースという言葉が指す部位は限られていますが、焼き肉店では昔からの習慣によりこれ以外の部位(ランプやモモなど)もロースとして提供されることがあります。


カルビについてはどうでしょうか?
最近ではスーパーなどでもカルビと書かれた焼き肉用のお肉が売られていることがありますが、実はロースとは異なり「カルビ」という部位名は存在しません。
カルビとは、韓国語で「助骨の周りについた肉」という意味があり、日本ではバラ肉と呼ばれています(肩バラとともバラの部位のあたり)。


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このように、焼き肉店ではロースやカルビは部位名を明確に指しているというより、あぶらが多いか赤身が多いかといった味の違いから分類され提供されていることが多いようです。
ただし、ロースに関しては、10月に消費者庁から「焼き肉業者のメニュー表示の適正化」が業界団体に出され、ロースの部位以外を焼き肉店で「ロース」として提供することは優良誤認にあたるとして、メニュー名などの改善を要請しています。


これに関して、食の信頼向上をめざす会は、12月7日に第10回メディアとの情報交換会「食肉の表示のありかたについて」を開催しました。
全国焼肉協会副会長の高木勉氏は、本件は現在進行中であるという前置きのあと、焼き肉のおいしさを決めるのはお肉の部位ではなく肉質や血統、生産地域などであると考え、それらの違いによって、並、上、特上など値段の差をつけていると話されました。


ここまで読んで焼き肉を食べたくなった方!カルビとロースではどちらがお好みですか?



写真. 焼き肉ではないけど、たまにはこんなのも・・