ソーセージの袋がふくらんでいる理由

みなさんご存知でしたか?
ソーセージの袋がふくらんでいる理由・・・これにはちゃんとした意味があるのです!



実は・・これは保存性を高めるためなのです!

保存性を高めるとはつまり、腐敗や変敗を遅らせるということです。食品は生ではもちろん、加工品であっても次の三つの要因によって腐敗・変敗が起こります。

●物理的要因:温度、空気、湿度、光、など
●生物的要因:微生物、酵素、害虫など
●化学的要因:水、pHなど

従って、この三つの要因をシャットアウトすれば食品は腐敗しにくくなる(=長持ちする)ということですね。

そのための工夫のひとつが包装です。
食品の保存性を高めるための包装には様々なものがあります。なにげなく手に取っている、あれもこれも!実は包装によって品質が保たれているかもしれません。


レトルト包装や真空包装などもありますが、今回はソーセージの例を・・
ソーセージは「ガス置換包装」により保存性を高めていることがあります。酸素は油脂を酸化させるほか、カビや細菌といった微生物などが生きるために必要です。そのため、食品の保存性を高めるためには「ない方がいい」存在です。
ガス置換包装とは、袋の中の空気を窒素や二酸化炭素などの不活性ガスに置き換えることによって、酸素の濃度を低下させ品質の劣化を抑制する方法なのです。
ガス置換包装はソーセージ以外にもコーヒー、パン粉、ポテトチップスなどがあります。

(なるほど〜腐敗の要因のひとつである酸素をシャットアウトするのね。ふむふむ。)


ところが・・今回購入したソーセージには保存料も入っていました。どうして?メーカーの方に問い合わせてみました。

【質問】どうして保存料を使っているのですか?
【回答】このソーセージの包装で置換しているガスは窒素ガスです。腐敗しにくくするほか、ソーセージを崩さないなど、取り扱いしやすいようにするためにガス置換をしています。ただし、ガス置換包装だけでは保存性を高めるためには不十分なので、保存料を加えています。また、温度は記載されている通り10℃以下で保存してください。



ちゃんと保存方法を見たら「10℃以下で保存すること」と書いてありました。

優れた包装技術だとしても、100%確実になるということはないのですね。包装技術とともに、保存環境を整えるということも必要不可欠です。
ほかに、昔から行われている保存技術としては、酢漬けや塩蔵、砂糖漬け、乾燥、燻製などがあります。これらについても後日ブログでご紹介したいと思います。