紅茶を冷やすと濁る理由

段々と暖かくなってきましたね。桜が街を彩る日はもうすぐです♪

数日前のある寒い日、温まろうと思い、紅茶を淹れ、飲みきれなかったので冷蔵庫に入れておいたら・・・知らない間に濁ってしまいました。こんな経験ありませんか?


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写真.(左)淹れた直後、(右)数時間後


この不思議な現象をクリームダウン(ミルクダウン)と呼びます。紅茶が徐々に冷えることによって、茶葉に含まれるタンニン(渋み成分)とカフェイン(苦み成分)が結合し、結晶化して白く浮き出る現象です。

茶葉の品質が悪いからこのような現象が起こるのでは?と思うかもしれません。
いいえ。
実はその逆で、茶葉中のタンニンやカフェインが多い良質の茶葉ほど、クリームダウンは起こりやすいのです。

また、淹れる水にも影響を受けます。硬度の高い水で淹れた場合、紅茶の色は濃く、クリームダウンが激しくなるようです。

クリームダウンは、特にタンニンの量により左右されるので、茶葉の種類によってクリームダウンの差があります。
紅茶の中でタンニン量の多い代表的なものは、ウバ、アッサム、ダージリンなどでクリームダウンが起こりやすくなります。
また、タンニン量の少ないセイロン、キーマンなどはクリームダウンが起こりにくいそうです。
この他、フレーバーティーであるアールグレイは原料の茶葉としてセイロンやキーマンを用いられる事が多く、クリームダウンが起こりにくいのです。
茶店でアイスティーアールグレイが使われる事が多いのは、こうした理由からなのかもしれません。

ちなみに、緑茶や烏龍茶では、紅茶に比べてクリームダウンはあまり起こりません(ただし、上級煎茶や玉露にはタンニンが多く含まれているのでクリームダウンが起こることがあります)。


アイスティークリームダウンを防ぐ裏ワザは・・
・冷やす前に砂糖を加える
・タンニンの少ない茶葉を使用する
・水だしで作る

また、すでにクリームダウンしてしまった紅茶の濁りをとるには、熱湯を加えると一時的にクリアになるそうです。
ただし、この方法は、冷めればまた元に戻ってしまいます。


これから暖かくなるとアイスティーが飲みたくなります♪クリームダウンに気をつけて、是非きれいなアイスティーをつくってみてください。