すだち・・漢字では?

今回は、今が旬のすだちをご紹介します!
すだちは漢字で書くと、酢橘、酢断、巣立などです。



写真1. 切るとさわやかな香りがしてきます


すだちはゆずの偶発実生(*)として発展したと言われています。
*親個体が分からないけれど、たまたま実生として見つかった個体が果樹として優れた形質をもち利用されることがあり、こうした実生を偶発実生と言う。実生とは発芽したばかりの芽のこと。


すだちは300年ほど前の「大和本草」という書物にその存在が記されていますが、本格的に栽培されるようになったのは昭和30年以降です。徳島県の神社の裏山に生育していたすだちの木が県全体に広まり、現在でもすだちのほとんどは徳島県産です。


酢断と書き表すことがあるように、旬の時季(8月下旬〜10月上旬)は酢に代替してすだちが利用されていました。旬が重なっているさんまや松茸との相性はばつぐんです!

すだちの特徴は何よりもあの豊かな香りです。すだちの香りは、香り成分スダチチンなどからくるものです。
香りが強く酸味があるすだちを絞ることによって、塩やしょうゆの使用量を減らすことができます。塩分の摂り過ぎが気になっている方は、この時季はすだちに頼ってみてはいかがでしょうか?


ところで、すだちと似ているものにかぼすがあります。
かぼすは大分県でよく栽培されている果物で、もっとも分かりやすいすだちとの違いはその大きさです。かぼすはすだちの三倍ほどの重さがあるのです。(モモンガとムササビの違い・・のような)

また、この二つは香りも違うと思いますので、ぜひ比べてみてください。



写真2. 左:すだち、右:かぼす