Q&A「日本の大豆自給率は低いのに、『国産大豆使用』とうたった商品が多いように感じる。これらの産地はほぼ北海道か?」

先日いただいたご質問です。


☆日本の大豆自給率は低いのに、「国産大豆使用」とうたった商品が多いように感じる。これらの産地はほぼ北海道か?

確かに、豆腐や納豆などの大豆製品のパッケージに「国産大豆使用」と書いてあるものをよく見かけますね。



農林水産省の統計(*)によると、平成21年度の全国の大豆収穫量は229,900トンでした。
都道府県別の1位は北海道で48,500トン、総収穫量の約2割を占めています。2位以下は、佐賀県が21,000トン、宮城県が18,100トン、福岡県が14,900トン、秋田県が12,800トンと続きます。
大豆生産は北海道が多いイメージがあるかもしれませんが、九州や東北でも結構生産されているんですね。
*統計データはこちらをご覧ください。


一方で、平成21年度の大豆の自給率(種子用や飼料用を含む)はおよそ6%で、食用としての自給率はおよそ22%でした。日本で使われる大豆の多くが輸入ものということになります。


それでもなぜこんなに「国産大豆使用」の商品が多いように感じるのか?

それは、国産大豆は「国産大豆使用」とうたう商品に使われているから。そして、そうした商品は大豆の利用用途としてはごく一部だから、ということが考えられます。

ご存じの通り、大豆は豆腐や納豆、味噌、醤油などに利用されますがそれだけではありません。
実際は製油に使う量の方が圧倒的に多いのです。平成21年度は、国内で利用する大豆のうち、純食料(豆腐、油揚げ、納豆、凍り豆腐、豆乳、煮豆、惣菜など)に用いる大豆は約2割程度であったのに対して、製油用は約7割でした。

大豆から作られる大豆油は、なたね油などと調合してサラダ油として使われる他、様々な加工食品に使われます。
普通は加工食品に使った油の原料の産地をわざわざ記載することはないので、私たちの目には輸入ものの大豆の利用用途が見えにくくなっているのでしょう。